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思春期の家出

テーマ:コラム

【思春期の家出は、子供が大人になろうとする初めの一歩】

思春期の子供が家出をする理由は家庭環境によるものが最も多く、家出した子供の5割から6割は家庭の問題が原因といわれています。

子供が大人になるためには、家庭を見つめ直し、親を見つめ直し、そして自分を見つめ直す期間が必要です。

安全な所で守られ、子供として扱われていては、大人になりたくてもなれません。

心配や不安も多いと思いますが、親に反発して家出したのであれば、【子離れの時期が来たんだ!】と成長を受け入れてあげることが大切です。


【探すより待ってあげることに意味がある】

思春期の子供の変貌ぶりに悩まされる親は多いですが、思春期は子供にとっても辛い時期です。

これまで通り親元で暮らしていたい反面、自立心から親から離れて生きてみたくもなります。

できれば仲良く暮らしていたい反面、大人になろうとする自分と子供扱いする親との間に摩擦がおきて、衝突してしまいます。

このように、【思春期は相反する気持ちに悩まされて、戦っている時期】でもあるのです。

家出した子供を探すことに重点を置くのではなく、戦っている子供にエールを送る気持ちで見守ってあげましょう。 


思春期の家出に関しては、連絡が取れているのであれば、それほど心配することはありません。

たたし、お金もなく、泊まるあてもないのに外泊を続けている場合は注意が必要です。

衣食住の確保をどうしているのか?質問した時、返答が曖昧、あるいは誤魔化して答えない場合は、犯罪に関わっている可能性も否定できません。 

不安な点があるのであれば、何らかの方法で、探すことも視野に入れるべきでしょう。


『家出を放っておいて何か事件に巻き込まれたら…』と心配する気持ちもあるでしょう。

あまりにも長い間帰らず、本当に安全な所にいるのか不安に思う場合は、警察・探偵などの専門家に依頼してみましょう。

ただし、あくまで居場所を知るために依頼するのであって、連れ戻すのはお勧めできません。

事故や犯罪に巻き込まれていないのであれば、【無理に連れて帰ろうとはせず、自分の意志で帰ってくるのを待っていてあげることが大切】です。


本人と連絡を取ることができ、帰ってくる意志が確認できる、また衣食住の確保等について明確な答えがあるのであれば、ひとまず心配はありません。

帰ってきた時は、頭ごなしに叱るのではなく、受け入れる姿勢を見せることが大切です。


家出した子供が自分の意志で帰ってきた場合、叱ることは悪いことではありませんが、やみくもに怒鳴ったり、外出禁止令などペナルティを与えるのは良くありません。

大切なことは叱るポイントを明確にし、基本は受け入れ姿勢でいるということです。

叱るのは、『安否を心配していた』『不安だった』という気持ちを伝えるためです。

家出した子供も、あなたに心配をかけていることは分かっています。

『心配していた』と叱られることは、自分を気にかけてくれていたということを再確認できるので、子供にとって必要なことでもあります。


【家出は大人になるための過程である】 

思春期は心も身体も大人になろうと変化している時期です。

不安定な時期であるがゆえに反抗的な態度を取ったり、外見を変えたり、家出したりするのであって、いわば『家出は大人になるために必要な過程』です。

親御さんから見れば子供にしか見えなくても、本人は大人になろうと真剣なのです。

その意志を尊重し、大人として快く子供を受け入れてあげましょう。


曼荼羅アーティスト Petit Piano