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犯罪心理学
テーマ:コラム
【日本で起きる殺人事件の犯人のほとんどが家族・顔見知り】
猟奇的な殺人事件に注目が集まりがちですが、日本の殺人事件の大部分が、家族・顔見知りによる犯行です。
警視庁のまとめによると、家族や顔見知りによる犯行で約8割を占めます。
最近では高齢化社会を反映して、介護疲れによる殺人や高齢の親による子殺しが増加傾向にあります。
高齢者が犯した殺人事件の7割が配偶者や子供などを殺害する親族殺です。
介護する側が認知症や体の動かない配偶者を殺害するケースでは『これ以上、生きていても仕方ない』『私が死んだらどうなる』と悲観する心理が背景にはあるのでしょう。
また、引きこもりなどの問題を抱えた子供に暴力を振るわれた末に殺害したりする事件が増えています。
これまての積み重ねもあり、暴力や暴言でカッとなって殺してしまったり、『親が死んだらどうなるのか』と悲観する気持ち、『周りに迷惑をかけたくない・知られたくない』という心理が殺人という結果を招くこともあるのかもしれません。
介護や引きこもりなど問題を抱え込んで社会から孤立し、密室となった家庭で追い詰められた高齢者が殺人を犯してしまうのです。
【人を殺す心理】
人が人を殺す【殺人】。なぜ殺人は起きるのでしょうか。
一口に【殺人】といっても、色々なパターンがあり、それぞれの事件が起きる原因も異なります。
加害者と被害者の関係性、どんな心理・背景があって殺人事件は起きるのでしょうか。
遺体をバラバラにする連続殺人や一度に多くの人を殺す通り魔事件などの大量殺人の心理について見ていきましょう。
殺人事件を減らすためには何が必要かについても考えます。
【連続殺人の特徴と心理】
連続殺人とはある期間に渡り、殺人が何度も繰り返されるケースです。
金品が目的の強盗殺人、恨みなどが原因の殺人と異なり、『人を殺すこと』そのものが目的です。
『被害者が苦しむ姿を見るのが楽しい』『血を見ると興奮する』といった心理で、殺人に快感や性的興奮を覚える快楽殺人であることが多く、殺害の方法や殺害後に相手の遺体をバラバラにするなど遺体の扱いについてもこだわりがあります。
猟奇的事件として世間の注目を集めることが多いタイプの殺人です。
快楽殺人は相手を苦しめて性的な興奮を得ようとする性的サディズムと関連があると考えられているほか、性格に極端な偏りがある精神病気質者(サイコパス)やパーソナリティー障害との関連も指摘されています。
【大量殺人を引き起こす心理】
大量殺人とは一度に複数の人を殺害するケースです。
通り魔事件などが典型で社会への怒りや復讐心が動機となっていることが多いといわれています。
犯人は普段から挫折や絶望を感じて生活しており、『自分の人生がうまくいかないのは全て周りや社会のせいだ』『社会に復習してやる』といった心理で犯行に及ぶのです。
また、自殺願望がある者の中には、自分一人で死ぬのは納得がいかないと周りの人を巻き添えにする者もいます。
『自分はこんなに社会を騒がせてやった』という自分の存在を誇示したい心理があり、殺人を犯した結果、『死刑になりたい』と望むこともあります。
つまり、死刑になるようなことをすることで、世間に認めてもらいたいという心理が働くのです。
大量殺人の犯人にも精神病気質者(サイコパス)、パーソナリティー障害が疑われることもあります。
それらの人々は、人に共感したり人の気持ちを思いやったりすることがありません。
人の苦しみは自分の苦しみではなく、人の苦しみが自分の喜びとすら感じます。
自らが虐待されてきた結果、感情が鈍磨したと考えられるケースもありますが、理解が難しいケースもあります。
生活が苦しい・就職がうまくいかなかったなど、犯人の社会に対する恨みが通り魔事件などの大量殺人を引き起こすことがあります。
人を殺さなくても問題が解決する道を見つけられるようにするのも、とても大切ですね。
【殺人の5つのパターンと心理】
●利欲殺人●
強盗殺人が典型例です。
金品を奪うために行う殺人で、誘拐殺人も含まれます。
殺人目的ではありません。
●隠蔽殺人●
口封じのための殺人です。
犯罪行為を目撃されて口封じのために殺します。
共犯者の殺害・レイプ被害者の殺害も含まれます。
『バレたらヤバい』『警察に捕まりたくない』という心理で殺人を起こすパターンです。
●葛藤殺人●
『怨念』や『痴情のもつれ』など憎しみや嫉妬などの精神的葛藤が原因となる殺人です。
親密な人間関係の間で起こることが多いです。
これまで暴言を吐かれ続け、カッとなって殺したり、『これ以上は耐えられない・許せない』という心理で殺人を犯してしまいます。
●性欲殺人●
性的欲求を満たすために殺します。
レイプして殺すまでが性行為の代償となっています。
レイプし人を殺すのが愉快、興奮する心理で犯行に及びます。
●無定型群●
上記に当てはまらない殺人です。
政治犯による犯罪などです。
【殺人事件を減らすには】
これらの事件は、早い段階で加害者の問題が解決できていたら事件は起こらなかったかもしれません。
誰かを殺したいくらいの恨みを抱く前に、問題を抱え込まずに周囲に相談できる環境を整えることが大事ですね。
悩みや困りごとが相談できる・助けてと言える環境が殺人事件を減らすためにも大切ではないでしょうか。
曼荼羅アーティスト Petit Piano