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五芒星とは

テーマ:神聖幾何学模様

五芒星とは、五光星・五稜星・五角星と呼ばれる5つの角を持つ星マークのうち、互いに交差する長さの等しい5本の線分で構成され、中心に五角形が現れる図形です。

五線星・星型正五角形ともいわれています。

世界中で魔術の記号とされ、守護に用いることもあれば、サタニズムに見られるように上下を逆向きにして悪魔の象徴とすることもあります。

悪魔の象徴としてとらえる際には、【デビルスター】と呼ばれることもあります。


【幾何学的性質】

五芒星は星型正多角形の一種であり、正5/2角形ということができます。

正五角形に内接し、対称的であり、一筆書きが可能です。

単純ながらも【黄金比】を数多く含む五芒星は、美しい図形の代表格とされています。

【五芒星】のスピリチュアルな意味は国ごとに違います。

国によって思想・文化・信仰宗教などが異なるため、特定のモチーフに対する意味づけにも差があるのです。


【五芒星のスピリチュアルな意味(国別)】

●日本編●

日本の陰陽道における五芒星には『魔除けのモチーフ』というスピリチュアルな意味があります。

五芒星の5つの頂点は、陰陽五行思想における木・火・土・金・水という元素を示しています。

陰陽道の中でも、平安時代に活躍した阿部清明も呪符などに五芒星を描いていました。

また、阿部清明が描いた五芒星は別名で『清明九字』『阿部清明判』と呼ばれたほか、五芒星の形を図案化したキキョウの花に見立てて『清明キキョウ』と呼ばれることもあったようです。


●中国編●

中国における五芒星は『五行思想』を意味します。

五行思想は、木・火・土・金・水という5つの元素のバランスによって、この世に存在するものや事象が変化するという思想です。

この点で、中国における五芒星のスピリチュアルな意味は日本と共通しているといえます。

ただ、中国における五芒星は五行思想の循環を表しているに過ぎず、日本のように『魔除けのモチーフ』という意味をもつかどうかは定かではありません。


●アメリカ●

アメリカを中心に広がった【サタニズム信仰者】の間で、五芒星を逆さにした【逆五芒星】は【悪魔】というスピリチュアルな意味をもつとされています。

サタニズムの別名は『悪魔主義』『悪魔信仰』『悪魔崇拝』です。

逆五芒星は地の底【地獄】との繋がりを示します。

そんなサタニズム信仰者は物質主義・利己的とされており、キリスト教で語られるような神への信仰はないのだそうです。

精神世界を重んじ、神への信仰心が厚いスピリチュアルとは正反対の立ち位置ですよね。

そのことから、サタニズム信仰者らは【五芒星=スピリチュアル】【逆五芒星=物質主義】ととらえ、自分達を象徴する悪魔という意味を逆五芒星に見出したのかもしれません。


●ヨーロッパ編●

ヨーロッパにおける五芒星には【魔術結社】というスピリチュアルな意味があります。

イギリスで設立された【黄金の夜明け団】のモチーフとしても有名です。

また、古代ギリシャの【ピュタゴラス教団】にとっての五芒星は『精神と肉体の調和』というスピリチュアルな意味をもつとされています。


●その他の国●

紀元前3000年頃のメソポタミア(現:イラク)における下向きの五芒星は『小さな空間・穴・角』という意味で、主に記録用の絵文字として用いられていました。

また、バビロニア(現:イラク南部)における五芒星には【五惑星】というスピリチュアルな意味があったようです。

五芒星の5つの辺を木星・水星・火星・土星・金星に見立てていたとされています。


【五芒星はどの国でもスピリチュアルな意味をもつモチーフ】

はるか昔の紀元前から、五芒星はスピリチュアルな意味をもつモチーフとして各国に用いられてきました。

もちろん今でも、様々な国や団体が五芒星を用いています。

時には魔除けの紋章や特定の団体を意味づけるためのシンボルとして、また時には、五芒星を逆さにし、スピリチュアルとは程遠い悪魔の意味を持つマークとして、五芒星は世界中で愛用されているのです。

こうした事実から、五芒星の意味の違いは、各国の思想・文化・信仰宗教などの違いから生まれると考えられるでしょう。


五芒星にはスピリチュアルな意味が秘められています。

身近なデザインとして五芒星を描いていた人も、その様々な意味を知り、驚いたのではないでしょうか。

どのような国で五芒星のモチーフを見たか?それはどのような形の五芒星だったのか…?

出先で五芒星を見つけた場合、このような観点からそのスピリチュアルな意味を追求してみると面白いかもしれませんね。


曼荼羅アーティスト Petit Piano