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集合的無意識とは

テーマ:コラム

心理学者の『カール・グスタフ・ユング』が提唱した心理学用語【集合的無意識】。

集合的無意識とは、この世に生きる全ての民族・人類・生物に共通する無意識を指します。

『超意識』『普遍的無意識』とも呼ばれ、個人を超越した意識であることから、【神の意識】であるとも言われるものです。

集合的無意識には、人類という種族全体を動かすほどの大きなエネルギーが眠っています。


【集合的無意識の心理学的意味】

ユング心理学では、集合的無意識の対語として、個人の意識である【個人的無意識】というものがあります。

個人的無意識は、自分の心の中だけの無意識で、【潜在意識】とも呼ばれるものです。

個人が人生の中で培ってきた意識が『個人的無意識』で、種全体として先天的に持っていた意識が『集合的無意識』であるというわけです。

集合的無意識とは、この世に生きる全ての人が共通で持ち合わせている【潜在記憶】のことです。

つまり、『みんなが誰にも教わらずに知っている記憶・常識』ということです。

一般的にいう個人的無意識は、個人の経験をもとに形成されていきます。

意識的に何かを経験することで、無意識が徐々に生まれてきます。

それに対して、集合的無意識は、経験を積まなくても『共通の真理』として形成されます。

全人類を対象とした【潜在記憶】(誰にも教わらずに知っている記憶・常識)を集合的無意識と呼ぶのです。


【集合的無意識の具体例】

集合的無意識という概念は、具体例から学び取る方が簡単に理解できます。

そこでここでは、集合的無意識の具体例を紹介します。


●朝と夜から読み解く集合的無意識●

私達は、『朝に太陽が昇る』『夜に月が出る』ということを誰にも教わることなく知っています。

これは、集合的無意識の代表例です。

あるいは、『太陽が昇れば朝』『月が出れば夜』ということも無意識のうちに知っています。

集合的無意識は、いつ・どこで・誰に教わり・どう覚えたのかがわからない記憶なのです。


●個人の認識から読み解く集合的無意識●

『自分』という個人を認識できるようになったのは、いつからでしょうか?

そう聞かれて明確に答えられる人はいないでしょう。

つまり、これも集合的無意識の具体例になるわけです。

自分がこの世の『一個人』であることを誰かに教わる機会はほとんどありません。

私達は、両親・友達・先生・会社の上司といった先人に教えられたわけではなく、生まれながらにして無意識のうちに自分という個人を識別できているのです。

こうした背景から、集合的無意識は『生まれながらにしてみんなが理解している普遍的な概念』ともいえます。


●世界各地の神話●

集合的無意識が実在する証明の一つとして、世界各地に語られている神話を挙げることができます。

というのも、神話において代表的な神の多くは、『太陽』か『雷』のどちらかの化身なのです。

例えば太陽からだと、日本神話の『天照大神』、エジプト神話の『ラー』、古代イスラエルの『ヤハウェ』、仏教の『大日如来』、ヒンドゥー教神話の『ヴィシュヌ』など、時代や場所がバラバラなのにも関わらず、沢山の神様が連想されました。

これは人類の共通認識、つまり集合的無意識として、太陽は偉大なものであるというイメージがあったからです。

神話については太陽だけでなく、ストーリーや神々の関係性など、他にも似た部分が多く見受けられます。

もちろん、時代背景や場所や文化がバラバラだったにも関わらずです。

このように、各地で語られる神話の存在こそが、集合的無意識の証明になっているというわけです。


【私達は集合的無意識のもとで繋がっている】

この世に生きる全ての人々は、集合的無意識のもとで繋がっています。

人間の無意識(潜在意識)のさらに深層に眠っている原始意識(爬虫類脳)に影響しているもので、個人としての意識ではなく、民族・人類・生物・地球・宇宙といった集合としての、先天的な構造領域であると言われています。

みんなが、誰に教わったわけでもない記憶を生まれながらに持っているということです。

この不思議な記憶(集合的無意識)は、スピリチュアル的にいうなら【宇宙意識のもとで繋がっている】ということでしょう。

私達の目には見えない、宇宙・神などの存在が、集合的無意識をとりまとめているのかもしれません。


【集合的無意識とアカシックレコード】

アカシックレコードは、宇宙全ての意識の集合体です。

つまり、宇宙規模での集合的無意識のことを【アカシックレコード】と呼ぶわけです。

宇宙が生まれたときからの記憶であり意識ですので、全ての情報がそこに眠っていると言われています。

集合的無意識には、範囲があります。

小規模でいえば数人での集合的無意識というのもありますし、種族であったり、人類であったり、生物であったりと、範囲が広くなればなるほど、そこに眠るエネルギーも大きなものとなるのです。

そういう意味でいえば、アカシックレコードの範囲は宇宙です。

途方もなく広い範囲での集合的無意識ですので、まさに神の領域であると言えますね。


【集合的無意識にアクセスして願望を引き寄せる】

集合的無意識にアクセスして願望を叶えるには、下記の方法がおすすめです。


●思考の多くを『私達』で考えるようにする

●『ガヤトリー・マントラ』を唱える


集合的無意識にアクセスできれば、人類という種全体を動かすほどの大きなエネルギーを得ることができます。

この意識にアクセスし、同調することができれば、あなたの願望が引き寄せられ、人生が大きく変化することでしょう。


一言での説明が難しい集合的無意識も、『生まれつきみんなが持っている共通の潜在記憶』と解釈することで簡単に理解ができます。

なぜ私は『自分』という概念を知っているのか?

誰にも教わっていないはずなのに…?

こうした疑問を持った事柄は、集合的無意識の中で自然とインプットされた記憶・常識なのだと考えてみて下さい。


曼荼羅アーティスト Petit Piano