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七福神とは

テーマ:コラム

人気の高い神様の中で、外せないのが七福神です。

七福神は日本人に馴染み深く、大変縁起の良い神様です。

そんな七福神と呼ばれる神様は七人いるわけですが、実はこの七人、色々な国の神様が集結しているのです。

今回は、意外に知らない七福神について解説していきます。

理解することでさらにご利益がアップするかもしれません。


【七福信仰とは】

七福神は、平安時代から日本人に根付いている民間信仰の神様です。

神道・ヒンズー教・仏教・道教など外来の神様が習合して庶民に馴染みのある七柱の神様になりました。

七福神の神様全員の名前と特徴をご存知ですか?

それぞれの神様に個性がありますので、その神様の性格やご利益をご紹介します。


●恵比寿天(えびすてん)●

【日本古来の神様】

七福神の中で最も人気があるのが恵比寿天です。

七柱の神様のうち純粋な日本の神様は、この恵比寿天だけと言われています。


【恵比寿天の特徴】

○中世の男性の着物である狩衣(かりぎぬ)を着ている

○前に折れた風折(かざおり)烏帽子をかぶっている

○右手に釣り竿・左手に鯛

○福よかな笑顔(えびす顔)

○耳が遠く、聞こえが良くないのでお参りの時はドラを叩いて祈願しないと気づかない


●大黒天(だいこくてん)●

【インドの神様シヴァ神が変化した神様】

仏教の自在天(じざいてん)と、日本神話の大国主命(おおくにぬしのみこと)が習合したのが大黒天です。


【大黒天の特徴】

○右手に打ち出の小槌・左肩に福袋を背負っていてこの中には七宝が入っている

○いつも米俵の上に座っている


左肩の袋の七宝に入っているものは、金・銀・瑠璃・玻璃・硨磲・珊瑚・瑪瑙の七種という説や、愛嬌・人望・威光…などの目に見えないものが入っているという2つの説があります。


【大黒天と恵比寿天は二人で一組】

大黒天は恵比寿天と対になり、共に五穀豊穣・商売繁盛の神様とされることが多いです。

大黒天が農業の神・恵比寿天が漁業の神であることから二人一組で商売の神として信仰されることが多いのです。

民間信仰ではあるが、大黒天の能力の一つには子宝があります。


●毘沙門天(びしゃもんてん)●

【インド・中国の財宝神が変化した神様】

古代インドでは、財宝神とされ、東西南北四方位を護る神々の北方の財宝を守る神で、戦闘的イメージはほとんど無かったと言われています。

シヴァ神とも仲がいい神です。

中国に伝わった時に武神としての信仰が栄え、そのまま日本に伝わったとされます。

武神として毘沙門天は、楠木正成ら上杉謙信などの武士に厚く信仰されたのです。


【毘沙門天の特徴】

○金鎖甲(きんさこう)という鎖を編んで作った鎧を着ている

○腕には海老籠手(えびごて)と呼ぶ防具

○頭に筒状の宝冠を被る

○右手に長い矛・左手に小さな宝塔(仏塔)

○毘沙門天像の足元をよく見ると、化け物が踏みつけられていて、人間の煩悩の象徴、天邪鬼


見るからに異国風の像であるのが異国の神であることがわかります。

恵比寿天・大黒天と並ぶ人気の神で、江戸時代以降は勝負事にご利益があると崇められました。

毘沙門天は、戦勝祈願や財運と幸福を呼ぶ財宝福徳のご利益をもたらします。


●弁財天(べんざいてん)●

【ヒンドゥー教の女神サラスヴァティーが由来】

弁財天もまた、古代インドの女神にルーツがあります。

インドの水の女神サラスヴァティーが弁財天の由来、河に住む女神で水と音楽を司り、琵琶を持つ美しい天女の姿でその姿は瓜二つです。

サラスヴァティーは言葉の神バーチュと習合し、言葉や知識・弁舌を司るようになります。

これが『弁才』天の由来です。

日本に伝わってから、弁才天の『才』が『財』に通じることとなり、財運のご利益ももたらすようになり七福神の人柱になりました。


【弁財天の特徴】

弁財天は、学業成就・諸芸上達・財運招福などのご利益があります。

弁財天で有名な神社は、奈良県の天河大弁財天社や鎌倉市の銭洗弁天などがあります。

いずれも水とゆかりが深く、もともとの川の女神の性格が残っています。


●福禄寿(ふくろくじゅ)●

【中国の神様】

大黒天・毘沙門天・弁財天は、由来がインドの神様でしたが、福禄寿・寿老人・布袋尊は中国の神様です。

『福禄寿』の名前は、道教の教義の『三徳』から来ています。

三徳とは、すなわち『福=子孫繁栄』『禄=財運招福』『寿=健康長寿』を意味しています。


【福禄寿の特徴】

○異様に縦に伸びた長い頭

○白い髭

○杖を持っている

○背の低い老人

○鶴や亀を従えていることもある


財運招福・無病息災・健康長寿のご利益があると言われています。


●寿老人(じゅろうじん)●

【中国の伝説上の人物】

寿老人は福禄寿と同様、中国由来の神様です。

福禄寿と寿老人をつい混同してしまう人も多いのではないでしょうか?

実際、両者は同一の神で、数字『七』の縁起が良いので数合わせに入れているのではないか、という説もあります。


【寿老人の特徴】

○背が低く長い白い髭

○頭巾をかぶっている

○酒を好む

○長寿と自然の調和のシンボルである牡鹿を従えている

○不老長寿の桃を持っている


福禄寿は頭の長い異形の姿をしていますが、寿老人は道士のような姿をしています。

福禄寿は鶴や亀を従えていますが、寿老人は鹿、ときにはコウモリを伴った姿で描かれます。

持っている杖には、よく見ると巻物がついています。

この巻物には人間の寿命が記されています。

寿老人には、健康長寿・無病息災・家庭円満のご利益があります。


●布袋尊(ほていそん)●

【実在した人物】

布袋尊は、もともとは中国唐の時代の契此(かいし)という名の禅僧でした。

もらったお布施を大きな袋にしまって歩いていた、という言い伝えがあり、そこでついた名が『布袋』です。

仏教での献金を『お布施』と呼ぶのも、布袋尊から来ています。

もし現代にいたら、とても怪しい人物ですよね。

布袋には千里眼があり、百発百中の占いをして人々を幸福に導いた、とされています。

高貴な人よりも、むしろ半裸の僧に仏を見出す人々の生き生きとした感性が、布袋尊を生み出したのではないでしょうか。

『仙人の化身』ではないかと言われています。


【布袋尊の特徴】

○坊主頭

○ニコニコ笑顔

○うちわと大きな袋を持っている

○太鼓腹

○出身地不明で泊まり歩いていた


背負っている袋は『堪忍袋』だと言われています。

心や度量が広い神様として知られています。

心の真実の大切さや、穏やかな心境を求めるなどを布袋尊は説いています。

『無病息災』『健康長寿』『子宝祈願』『夫婦円満』『商売繁盛』などのご利益があります。

財運を招くなら家に布袋尊を置くのがおすすめです。


七福神は、時代を超えて人々に愛されてきました。

由来を知って七柱の神様がぐっと身近に感じられたのではないでしょうか。


曼荼羅アーティスト Petit Piano