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セレンディピティとは
テーマ:コラム
セレンディピティとは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することです。
また、何かを探している時に、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけることです。
平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運を掴み取ることです。
スピリチュアルに限らず、音楽・芸術・科学・マーケティングなどのあらゆる分野に精通する人が、セレンディピティという言葉を用いています。
【セレンディピティの意味】
セレンディピティという言葉は、1754年、イギリスの政治家・文筆家だったホレス・ウォルポールが友人に宛てた手紙の中でその言葉を何度も用いていたのだそうです。
語源は、おとぎ話の『セレンディップと3人の王子』という本の『セレンディップ』を変形して使ったものだといわれています。
セレンディピティの定義は、『偶然と賢明さによって、探していたものと異なるものを発見すること』。
その後、20世紀の後半から【セレンディピティ】という言葉が普及するようになっていきました。
【セレンディピティの代表例】
●Googleの誕生●
Google社は、『アメリカにあるスタンフォード大学の大学院生2人』が偶然出会った点を機に作られました。
もしこの2人のセレンディピティがなければ、Google社という企業は誕生していなかったでしょう。
現代において、Google社が存在しない社会は考えられません。
それほどのイノベーション(技術革新)が、セレンディピティによって起こったのです。
●Twitter●
現在でも多くの人が利用しており、特に日本では人気の高いSNSである『Twitter』もセレンディピティの成功事例です。
Twitterからセレンディピティを得る場面は非常に多いでしょう。
Twitterでは、自身がフォローした人以外のtweetも配信されます。
意識していなかった事柄を『誰かのtweet』から偶然気づき、それによってセレンディピティを得られる場面も多いでしょう。
Twitterは、セレンディピティの事例を数多く作っているアプリなのです。
●偶然の産物●
アイザック・ニュートンが、『リンゴが木から落ちる』状況をみた結果、『万有引力の法則』にたどり着いたほか、アレクサンダー・フレミングが成し遂げた『ペニシリンの発見』も、セレンディピティの有名な一例です。
フレミングは、ブドウ球菌の研究をしていましたが、謝って細菌を培養するシャーレの上で青カビを発生させてしまいました。
しかし、偶然にもその青カビの周りでは細菌が繁殖しないと気づき、そこから抗生物質であるペニシリンの抽出に成功したのです。
【セレンディピティを高める方法】
セレンディピティに出会うためには、どうすれば良いのでしょう。
セレンディピティを高める方法について解説します。
●人との繋がりを持つ●
『人脈は財産』とよく言われますし、人と積極的にかかわるとセレンディピティに出会う確率も高まります。
相手や会話によって自分と違う考え方に触れられるからです。
●何事にも好奇心を持つ●
様々な事柄に好奇心を持つと広い視野も伴うようになるため、ふとした瞬間にセレンディピティに出会い、それに気づけるのです。
●気づきを記録する●
『すぐにメモを取る』という人がいます。
こういった人の場合『メモを取る』行為によって、あとからセレンディピティに気づきやすくなるのです。
●チャレンジ精神を持つ●
セレンディピティに気づいたら、自ら動いて一歩進めましょう。
動いて初めて結果に結び付けられるのです。
【セレンディピティにおけるメリット】
セレンディピティは人類の歴史にて、様々な功績を残しています。
そんなセレンディピティは、ビジネスの世界ではどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
●気づきをもたらす●
自身の行動によって、『新たな一面』『問題や課題』『解決法』などを、自身の意図ではなく、偶然の閃きとして気づけるようになるのです。
●イノベーションをもたらす●
先述したニュートンやフレミングの発見のように、セレンディピティによって得られた情報には、今までの常識を覆すような大きな情報や手法を含む場合があります。
その情報や手法を用いると、企業や業界全体にイノベーションをもたらす可能性が高まるのです。
●経営戦略に役立つ●
経営戦略を考える際は、様々な状況を予測するでしょう。
しかし、人間の予測能力には限界があります。
そこにセレンディピティを組み込むと、今まで考えつかなかったような戦略を取れるようになるのです。
【シンクロニシティとの違い】
セレンディピティとシンクロニシティは、似た意味を持つ言葉としてよく比較されます。
両者がもつ意味の違いを細かく見ていきましょう。
●セレンディピティの意味は『能力』●
セレンディピティとシンクロニシティがもつ意味の違いは、『能力』を指すか、『現象』を指すかという点にあります。
○【セレンディピティ】…偶然の幸運を発見する才能や能力(能力を指す)
○【シンクロニシティ】…意味のある偶然の一致(現象を指す)
シンクロニシティとは、スイスの精神科医・心理学者であったユングが提唱した概念です。
接点のない人間や出来事が、スピリチュアルな意味をもって偶然出会う・偶然交わるという、1つの『現象』を指しています。
偶然の幸運を発見する『能力』を指すセレンディピティとは意味合いが違うのです。
●セレンディピティの意味は『偶察力』●
セレンディピティとシンクロニシティの違いは、『日本語訳』からも読み取れるでしょう。
○【セレンディピティ】…偶察力(ぐうさつりょく)
○【シンクロニシティ】…共時性・同時性・同時発生
日本語訳でみるシンクロニシティとは、特定の時間を共にする縁結びのような性質・現象を指します。
偶然を察知する力と訳されるセレンディピティとは別の概念だといえます。
偶然の幸運を発見する才能や能力という意味をもつセレンディピティ。
その能力は、自らの働きかけによって生まれるものだと考えることができます。
セレンディピティを発揮しやすくするには、願望に関連する情報の収集・交流会への参加・情報の発信がカギとなるでしょう。
ぜひあなたも、セレンディピティを発揮して偶然の幸運をその手に掴んで下さいね!
曼荼羅アーティスト Petit Piano