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アートとデザインの違い
テーマ:コラム

【アートとは?】
アートとは、『自分の思いを表現したもの』です。
喜怒哀楽の感情や社会に対しての『何故?』といった感情を何らかの媒体を通して表現したものと言えるでしょう。
アートはあくまで自分の感情を表現したものなので、見た人が『アーティストの表現を感じ取る』ことになります。
また、『何故?』といった本人の中での『問い』が作品として現れているため、それを見た側によって答えが変わるのもアートの特徴と言えるでしょう。
基本的には自分の感情を表現したものなので、賃金は発生しない場合が多いです。
【デザインとは?】
デザインは、『クライアントの思いを目に見える形で表現したもの』です。
最初から『お客様や不特定多数の人に対しての答え』を形にしたものとも言えます。
デザインの場合は『答え』を最初に伝えるため、みんなが理解できることが前提になっているのがデザインの特徴と言えるでしょう。
アートとは違い、クライアントから依頼される場合が多く、基本的には賃金が発生します。
【アートの主な役割】
アートの役割は見る人の心を動かし、豊かにすることです。
そしてその人の考えや行動、場合によっては人生に大きな影響を与えることです。
論理よりも感情に訴えることで、アーティストが伝えるべき感覚を音楽や絵画などの媒体を通じ相手に響かせる、それこそがアートの役割です。
【デザインの主な役割】
デザインの役割は下記の3つが挙げられます。
●コミュニケーションとしてのデザイン
●ビジネスに対してのデザイン
●ユーザーに対してのデザイン
【デザインとアートの共通点】
デザイナーもアーティストも【クリエイター】の括りに入ります。
クリエイターの活躍の場は、映像・WEB・サウンド・ゲームなど媒体は様々です。
クリエイターとは、『考えや思いを何らかの媒体に落とし込み、表現のできる人』の総称です。
この考えがデザインにもアートにも共通している部分だと言えるでしょう。
【アーティストとデザイナーの役割の違い】
●優れたアーティストは『インスピレーション』を与え、優れたデザイナーは『モチベーション』を与える
●アーティストには才能が求められ、デザイナーにはスキルが求められる
●アーティストの仕事の大部分は『クリエイション』、デザイナーの仕事の大部分は『コミュニケーション』
●アーティストのゴールは『自己表現』、デザイナーのゴールは『顧客の課題解決』
●アーティストの評価軸は『社会からの評価』、デザイナーの評価軸は『数字による結果』
●アーティストの制約は『自分の才能』、デザイナーの制約は『時間・予算・実現可能性』
●アーティストの視点は『主観』、デザイナーの視点は『客観』
●アーティストのスタイルは『個人プレー』、デザイナーのスタイルは『チームプレー』
●アーティストの重視する事は『インスピレーション』、デザイナーの重視する事は『プロセス』
いわゆるアーティスト気質の人がデザイナーにはあまり向いていないことがわかるでしょう。
アーティストとデザイナーは共通してクリエイターと表現されますが、それぞれの役割が違います。
アーティストであれば、自分の好きなように表現した作品を作ることができますが、その分、収入には繋がりにくいです。
一方、デザイナーであれば、クライアントに依頼されることで作品作りを行うため、収入には繋がりやすいですが、クライアントの意向に沿った作品を作る必要があるため、自分では納得できない作品になる場合もあるでしょう。
【アートは自己表現・デザインは問題解決】
アートは『自己表現』で、デザインは『問題解決』です。
アートは、なるべく制限のない状態で最大限の【自己表現】をすることです。
デザインは、与えられた制限の中で求められる最大の結果を出すための【プロセス】だと考えられています。
その点において、アートとデザインは対極にあるぐらい異なりますが、両方ともビジュアルを作り出すということから、混合するケースが後を絶ちません。
自己表現と問題解決、ビジュアルというメソッドが同じでも、その目的は大きく異なります。
アートでは『何となく』の表現がアリとされますが、デザイナーは『何故』が説明できないと仕事になりません。
【デザインとアートの違いを理解して作品作りに活かそう】
デザインとアートは表現するものや役割に違いがあります。
それぞれの定義は違いますが、だからといって切り離せるものでもありません。
お気に入りのアーティストやデザイナーを見つけて、引き出しを広げたり、ニーズに合わせて新しく柔軟な発想をいつでも出せるように両方の良い面を生かしてよりよいデザインができるようにしていきましょう。
曼荼羅アーティスト Petit Piano