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『人間万事塞翁が馬』とは
テーマ:コラム
人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)ということわざを聞いたことはありますか?
あの京都大学ips細胞研究所所長でありノーベル生理学・医学賞を受賞された有名人である山中伸弥教授が【座右の銘】にしていることわざとして講演会で取り上げることが多いです。
そんな凄い人が大好きな言葉ってどんな言葉なんだろう?と興味が湧いてきますよね。
ここからは人間万事塞翁が馬が、どのようなことわざなのかを紹介していきます。
【人間万事塞翁が馬のあらすじ】
昔々、中国の北方のお城のそばに『塞翁』というおじいさんが住んでいました。
ある日、そのおじいさんの唯一の財産であった馬が逃げてしまったので、村人達がおじいさんを気の毒に思い、慰めの言葉をかけに来ました。
でもおじいさんは、『これは幸運なことになるだろう!』と言いました。
しばらくして、逃げた馬がおじいさんのもとに帰ってきて、しかもその馬よりも立派な駿馬を連れてきたのです。
すると、村人達はおじいさんのもとにまた集まってきて、『おじいさん、馬が帰ってきたし、さらに駿馬まで連れて帰ってくるなんてラッキーでしたね!』とお祝いの言葉を口々に言いました。
でもおじいさんは、『いいや、きっと悪いことが起こる!』と顔を曇らせました。
数日後、おじいさんが予想した通りに、駿馬に乗っていたおじいさんの大切な息子が落馬して、足を骨折して歩けなくなってしまいました。
すると、村人達がおじいさんの家に集まってきて、『大事な息子さんが怪我をして災難でしたね。』とお見舞いの言葉を口にしました。
でもおじいさんは、『いやいや、これは何か良いことが起こる予兆かもしれない!』と言いました。
しばらくしておじいさんの国で戦争が始まりました。
村の若者は皆、戦争に駆り出され亡くなっていきました。
でも、おじいさんの息子は、怪我をしていたおかげで戦争に行かずに済み命拾いをしました。
【人間万事塞翁が馬の意味】
おじいさんの不幸が幸福に、幸福が不幸に、そしてまた不幸が幸福に転じたように、人の幸・不幸は予測しがたいもので、簡単に一喜一憂すべきではないという意味です。
村人達のように幸不幸に一喜一憂するのではなく、人生における幸不幸は予測しがたいものだと理解して、おじいさんのようにドーンと構えて生きていきたいものですね。
ここでいう『人間(じんかん)』は、人と人との間を表すもので、世の中全体を指す言葉です。
つまり、『世の中に起こることは全て予測がつかない』といった意味になります。
『人間万事』という言葉をプラスすることによって、『塞翁が馬』の意味において『何が起こるかわからない』のは、『世の中に起こるあらゆること』を指していることがわかるでしょう。
【悪い事態に陥った時の励ましに】
『塞翁が馬』は、目の前に起きた出来事を『福』と見ることもできるし、『禍』と見ることもできる、解釈の幅を広げてくれる言葉です。
知人や友人が悪い事態に陥った時、励ます言葉としても有効です。
【座右の銘にしてる有名人】
人間万事塞翁が馬は、多くの有名人の座右の銘となっています。
例えば、『島耕作』シリーズで知られている漫画家の弘兼憲史さん、女優の芦田愛菜さん、サッカー日本代表の監督だった岡田武史さん、元野球選手の松井秀喜さんなど、第一線で活躍する人達です。
この言葉に時に励まされ、時に謙虚な気持ちを思い起こさせられてきたのでしょう。
中国の故事から生まれ、人生の教訓として今日も知られる『人間万事塞翁が馬』は、ビジネスシーンでも活用できる言葉です。
また、この言葉の意味を理解することで、自分自身が困難に立ち会った時にも、気負わず、柔軟に対応できるようになることでしょう。
皆さんも自分の力を信じてかけがえのない人生を楽しんで下さい。
曼荼羅アーティスト Petit Piano