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近年、若者の間ではSNSを中心に『チル』という言葉が流行っています。

正確な意味や使い方を知っておけば、実際の使用時に恥をかかずに済むでしょう。

チルの意味や語源・『エモい』との違いのほか、具体的な使用例を紹介します。

【チルとは？】

●ゆっくり・まったり過ごすの意●

『チル』とは、『ゆっくりとくつろぐ』『まったりと過ごす』の意味で使われる言葉です。

単独で使われるほか、『チルする』『チルる』『チルい』などの形でも用いられています。

落ち着いた雰囲気を楽しんだり、ゆっくりと流れる時間を堪能したりするシーンで、チルを使って様々な表現をすることが可能です。

チルという言葉には、『一人の時間を大切にしたい』という思いが反映されています。

SNS映えやSNSによる人間関係の維持に疲れた人達が、チルに移行し始めているのです。

●語源●

チルは、英語のスラングの『chill out』を語源とする言葉です。

『chill out』には、『冷静になる』『心を落ち着かせる』という意味があります。

音楽の世界でも、『チルアウト』と呼ばれる落ち着いた曲調の新ジャンルが近年誕生しています。

ダンスで火照った体を休めるために、ダンスフロアの脇でよく流されている音楽です。

そもそも『chill』という英語には、『冷気』『冷やす』の意味があります。

チルド室やチルド配送は、英語の『chilled』から生まれた言葉です。

【エモいとの違いは？】

『エモい』とは、心が揺り動かされた時に使う俗語です。

『感動的な』『懐かしい』『切ない』『しみじみする』『もの悲しい』といった心の動きを表現できます。

エモいの語源とされている言葉は、『感情的』『情緒的』を意味する英語『Emotional』です。

『チル』が静的な感情を表すのに対し、『エモい』は動的な感情を示すのに適しています。

例えば、チルい音楽は心が安らぐ音楽、エモい音楽は心を揺り動かされる音楽です。

チルとエモいは、意味が正反対であることを覚えておきましょう。

【チルを実際に使ってみよう】

『行きつけのカフェでチルってます』

『自宅でのんびりとDVDを見ながらチル中』

『チルい音楽を聴いていたら寝落ちしてた』

『今から一緒にチルりたい人募集中』

『仕事が終わったからファミレスでチルしない？』

『今日は一日中部屋でチルる予定だからまた今度ね』

上記例文でも分かるように、チルは動詞化して『チルる』『チルする』となったり、形容詞化して『チルい』に形を変えたりします。

また、一緒にいてくつろげる人を『チル友』と呼ぶように、チルは様々な使い方ができる自由度の高い言葉です。

【癒しの部屋作り『チル部屋』】

チルという言葉の流行に合わせて、のんびりしたい若者の間で『チル消費』が進んでいます。

チル消費とは、チルするためにアイテムを消費したり、お金を使ったりすることです。

チル消費の代表例が、癒しの空間を生み出せる『チル部屋』です。

自分の好きなように自室をカスタマイズすれば、ゆっくりと流れる時間を落ち着いた雰囲気で楽しめます。

また、チル部屋のコンセプトは人により様々です。

まったりと映画を見たいなら、プロジェクターを設置すれば映画館さながらの環境を作れます。

友達とチルなお茶会を楽しみたい場合は、お洒落な食器を揃えるのがおすすめです。

【穏やかな時間が流れる『チル旅』】

チルを求める人は、旅行先を選ぶ際も『チル旅』を楽しめることを重視する傾向にあります。

チル旅とは、日々の喧騒を忘れて静かに過ごせる旅行のことです。

あちこちの観光名所を訪れたり、買い物やアトラクションで楽しんだりする要素は、チル旅にはありません。

自然に触れながら穏やかな時間を過ごすのが、チル旅のコンセプトです。

友達とチル旅に出かけるなら、一緒にいてリラックスできるチル友を誘いましょう。

特に旅の設定をせず、心の休息が取れる場所選びにこだわるのがポイントです。

曼荼羅アーティスト　Petit Piano