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ポジティブ心理学とは

テーマ:コラム

ポジティブ心理学とは、『人が幸せに生きること』を科学的に追求する学問として、ペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン教授により創設されました。

ポジティブ心理学という名前だけ見てしまうと、『ポジティブシンキング』と同じものと勘違いしやすいですが、決して一緒ではありません。

ポジティブやネガティブなどのあらゆる要素を取り入れ、『幸せとは何か』を科学的に研究する学問です。

『幸せ』と聞くと、好きなことだけを毎日行う生活を想像する方もいますが、ポジティブ心理学ではこのような幸せを一時的な『快楽』としており、『人の幸せ』とか『快楽』とを明確に区別しています。

ポジティブ心理学を簡単に言ってしまえば、『良い(善い)生き方』を追求した学問であり、心理学における『立場』を指しています。

ポジティブ心理学が追求する『幸せ』は『Well-being(ウェルビーイング)』という言葉で表現されており、現状の問題や不満の解消に焦点を合わせた考え方ではなく、『自分自身の可能性による理想の実現』を軸にした思考になります。


◆ポジティブ心理学を支える5つの柱◆

ポジティブ心理学では、『幸せ=ウェルビーイング』を支えるものとして5つの柱となる要素を挙げています。

5つの柱は、それぞれの頭文字を並べて『PERMA(パーマ)』と呼ばれており、ウェルビーイング理論の中で幸せを向上させるために必要な要素としています。

以下で、ポジティブ心理学を支える5つの柱をご紹介します。


◆Positive Emotion:ポジティブ感情◆

ポジティブエモーションとは、ポジティブ心理学におけるポジティブ感情は、愛や喜び、笑いや感謝といった肯定的な感情を指しています。

ポジティブ感情は、ネガティブな感情を打ち消すことで対処力・回復力が高まり、思考や行動の選択肢を広め、更に人生の幸せを向上する要素を生み出すとされています。


◆Engagement:没頭や没入◆

エンゲージメントとは、時間を忘れて何かに没頭して集中し、夢中になることを指しています。

スポーツ選手などが体感する『ゾーン』のように物事に夢中になることで、集中力が高まり、仕事の効率や生産性を向上させる思考です。

また、この没頭や没入によってネガティブな感情を防ぐという効果もあるとしています。


◆Relationship:豊かな人間関係◆

リレーションシップとは、幸福度に大きく影響する要素として、社会的な人間関係を挙げています。

友人やパートナー、家族や仲間など、他者との関わりや繋がりがあること、そして他人と自分を比べることなく、『他者に貢献することで、自分も幸せになる』ということが、研究で明らかにされています。


◆Meaning:人生の意味や意義◆

ミーニングとは、価値観や人生の目的に関係する要素です。

人生を歩む中で、何が大切で重要なのか、また優先する内容が何なのかを明確にすることが、幸福度を向上させるとしています。


◆Accomplishment:達成・完遂・マスター◆

アカムプリシュメントとは、何かを達成することで幸福感が向上するという考えです。

勝利や達成の体験はポジティブ感情を生み出す要素とされており、価値のある目標を追求する生き方が幸せな生き方であると考えられています。


◆ポジティブ心理学を仕事や私生活に役立てる方法◆

感謝の気持ちを大切にする

自分の強みを発揮させる

ネガティブな思考を否定しない

楽観主義の思想を持つ


ポジティブ心理学は、ポジティブ思考やネガティブ思考などを含めた上で『幸せに生きること』という大きなテーマに対して科学的に研究されている学問の一つです。

現代では、会社組織でもポジティブ心理学が重要視されはじめ、社内の環境を良くするためにポジティブ心理学の5つの柱となる『PARMA』の考えを共有する会社も増えてきています。

少しでも毎日を楽しく生きるためにも、ポジティブ心理学の『PARMA』を意識して、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。


曼荼羅アーティスト Petit Piano