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子供を犯罪者にしないために

テーマ:コラム

未成年者による殺人事件やいじめ問題のニュースを見聞きすると、自分の子供が加害者になったり、犯罪に手を染めたりしないか心配…という親御さんも多いのではないでしょうか。

今回は子供を犯罪者にしないために、子育てで気をつけたいことについて考えます。

子供が非行に走る時、子供は周りの大人たちにSOSのサインを出しています。


【子供が犯罪者になるマニュアル】

次のことだけを心がけるならば、子供の非行化は効率よく進むでしょう。


●いつも夫婦仲悪く暮らし、憎しみ合い、できれば不貞を働き、大人のエゴをむき出しにすること。

●幼い時から冷たく放りっぱなしにすること。遊び相手になるとか、スキンシップは全く無用。

●欲しいといったら何でもすぐに買い与えること。我慢させることは絶対に禁物。

●子供の間違いや失敗は理由を問わず叱り飛ばすこと。口で言うよりひっぱたく方が一層良い。

●子供が何をして遊ぼうが気に留めない。遊び仲間についても全く知る必要はない。

●兄弟やよその子と比較して、『お前は馬鹿だ!誰々を見習え!』を連発すること。

●忙しいのに食卓の団らんなどは無駄。子供の話題や関心など無視すれば良い。

●子供が善いことや努力をしても滅多に褒めない。むしろ、ごまかしや裏切りなど、悪事をうまくやったら必ず褒めること。

●子供の前では決して夫婦間の意見を一致させない。特に父親は難しい問題からうまく逃げること。

●『お金こそ人生の全てである』と身をもって教え込むこと。宗教や精神生活を軽蔑させよう。

●子供の前で、常に法律・学校・役所の悪口を言い、社会の決まりや公共機関への敵意を植え付けること。


【子供が犯罪者になるサイン】

●幼少期から問題行動を頻発していた●

両親に虐待を受けていたり、育児ストレスを強く感じている親に育てられていることが多く、幼い頃からお菓子を盗み食いしたり、親の財布からお金を持ち出したりするような問題行動があったケースです。

問題行動は親の関心を引きたいというサインだったが見過ごされ、罪の意識や規範意識が育たないまま成長したケースなどがあります。


●表面上は問題を感じさせることがなかった●

発達的な偏りがある、精神障害が疑われるケースです。

友達はいても深い付き合いができない、家族との関係も本音を出さず、表面的な関係になってしまっています。

年齢に応じた人間関係が構築できないまま成長し、傷ついた心や不安を抱えています。


●思春期になって大きな挫折を体験した●

勉強やスポーツができ、親から甘やかされて育ったが、思春期に自分で抱えられないような挫折を体験してしまい、自暴自棄になってしまったケースです。

親は、できる子供をチヤホヤする一方で子供が本当に困っている時には向き合ってこなかったため、子供も親に対してSOSが出せない関係になってしまっていることが多いです。

上記の特徴に加え、父親や父親に代わる人物がいても、その人物が『父親の役割』を果たしていない家庭で子供が事件を起こしたケースも多く見られます。

このような特徴を見ていると、一つくらいはうちにも当てはまる!という人も多いのではないでしょうか。

上記の特徴があっても犯罪に走らない子供が大半でしょう。

犯罪者になってしまう子供も、そうでない子供も紙一重なのです。

『子供が事件を起こすなんて、うちには関係ない』と思われるかもしれませんが、事件を起こしたのが一見普通の家庭の子供というケースはよくあります。


【子供の非行のサイン】

喫煙

飲酒

学校をサボる

無断外泊

服装が派手になる

ゲームや漫画・服など親の知らない物を持っている


他にもありますが、上記のサインが見られたら注意が必要です。

『これくらい大丈夫』と見過ごしていると、取り返しのつかないことになる可能性もあります。

『あの時にちゃんと聞いておけば…』『あの時にちゃんと叱っておけば…』と後悔しても遅いのです。

特に思春期の子供も不安定な難しい時期です。

非行のサインに気がついたら周りの大人がしっかり対処することが大切です。

特に【子供は親の鏡】ということを意識して、子供を責める前に親自身が自らや家庭を振り返ってみることが大切です。


【子供が罪を犯した場合、親も責任を問われる】

未成年者が事件を起こして警察に捕まり、必要だと判断されると、いったんは全て家庭裁判所に送られます。

成人が起こした事件で軽い事件以外は、裁判所に送られる前に検察庁に送られ、裁判の必要がないと判断されれば不起訴もありえます。

しかし、未成年者の場合は不起訴で無罪放免とはなりません。

14歳以上で殺人などの重大な事件であれば、まずは家庭裁判所の審判で処分が検討されます。

そのうち、16歳以上で重大な事件を起こした場合は、原則として検察官に送致され、成人と同様に裁判を受けることになります。

それ以外の事件は家庭裁判所で更生のための処遇が決められます。

また、子供が人を傷つけたり、物を壊したりした場合は、『監督不行き届け』で親が責任を負うことになります。

怪我をさせた場合は治療費や慰謝料を支払わなくてはなりません。

また、物を壊した場合は賠償の責任があります。


【子供を犯罪者にしないために】

先に述べた事件を起こした子供の特徴・非行のサインでも見られるように、ちょっとしたことから道を踏み外してしまう子供が多いのです。

普段から子供をちゃんと見ていれば、話を聞いていれば良かったと後悔しないように、子供と向き合いましょう。

毎日は無理でも週に1回くらいは一緒に食事をとる・子供の話は最後まできちんと聞くなど、できることは沢山あります。

困ったことがあった時、SOSを出せる親子関係をつくることができていれば、子供を犯罪者にしなくて済むのではないでしょうか。

子供が話しかけてきても、時間が取れないこともあります。

その時は『今は忙しいから後でね』と言って、子供を待たせても良いのですが、後で必ず時間を取って子供の話を聞きましょう。

『後でね』と言うだけで話を聞かないでいると、大変なことになるかもしれません。

逆に、親が約束を守れば子供も親を信頼して待つようになりますし、忍耐力も身に付けることができるでしょう。

また、子供が友達に怪我をさせたり、万引きをしてしまったりといった問題を起こした場合に親が被害者に真摯に謝る姿を見せることも重要です。

親が泣いたり、必死に謝ったりする姿を見て『悪いことをしてしまった』と反省する子供は多いのです。

少年院に入った子供たちは『もっとかまってほしかった』『話を聞いてほしかった』『ちゃんと叱ってほしかった』と話すそうです。

子供と向き合う大切さを痛感させるエピソードではないでしょうか。


子供をしっかり見て、良いことは褒める・悪いことは叱る。

当たり前のことですが、子供が道を踏み外さないようにしっかり見守るのは大人の責任ではないでしょうか。

子供が健やかに成長するためには、【子供が愛されていると実感できることが大切】なのが分かります。

養育者の無関心が子供にとって何より辛いことなのではないでしょうか。


曼荼羅アーティスト Petit Piano