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パンドラの箱とは

テーマ:トリビア

【パンドラの箱】という言葉があります。

この言葉はネガティブな事柄の比喩的な表現としてよく使われますが、『元々どんな意味なのか?どのような場面や状況で使うのか?まではよくわかってない』という人もいることでしょう。

この記事では、パンドラの箱の意味・語源・原書の解釈・パンドラの箱の英語での表現などをご紹介します。


◆パンドラの箱の意味とは◆

パンドラの箱とは、『触れてはいけないもの』いう意味の例えです。

ここでの『触れてはいけない』とは、実行したり話題にしたりすると良くないことが起きたり、誰かを傷つけてしまうことがある、ということです。

このパンドラの箱を用いた表現である『パンドラの箱を開ける』とは『災いを引き起こす原因を作る』という意味で使われます。


◆パンドラの箱の語源◆

パンドラの箱の語源は、ギリシャ神話にあります。

最高神であるゼウスがあらゆる不幸や災いが入った箱を地上最初の女性であるパンドラに渡し、『絶対に開けてはならない!』と命じます。

しかしパンドラは好奇心から箱を開けてしまい、中にあった不幸や災いが飛び出してしまいました。

パンドラはすぐに蓋をしましたが、箱には【希望】だけが残りました。

この神話からパンドラの箱は『触れてはいけないもの』の例えとなりました。


◆パンドラの箱とパンドラの壺◆

パンドラの箱の元になるギリシャ神話では、パンドラが開けたのは箱ではなく『壺』になっています。

なぜ壺が箱にすり替わってしまったのでしょうか。

パンドラの箱の最古の記述がある書とされるのは、ヘシオドスの著書『仕事と日』です。

この中ではパンドラに渡したものは古代ギリシャ語で壺を意味する『ピトス』と書かれていました。

ルネサンス期になるとエラスムスが『ピトス』をラテン語で箱を意味する『ピュクシス』と訳しました。

以来、パンドラが開けたのは『箱』と言われるようになったようです。


◆パンドラの箱に残ったものについての解釈◆

原書では箱に残ったものは『エルピス』で、古代ギリシャ語の『希望・予兆・期待』という意味です。

パンドラの箱に残ったものについてはポジティブな解釈とネガティブな解釈があります。

ポジティブな解釈では、『人間の手元に希望が残った』『希望をもって生きられるようになった』というものです。

ネガティブな解釈では、『希望が残った為に人間は希望にすがることしか出来なくなり、苦しみが増した』というものです。


◆パンドラの箱の英語表現◆

『パンドラの箱』は英語では『Pandora’s box』となります。

パンドラは人名ですから、Pは大文字になります。

『open a Pandora’s box』で『厄介な問題を引き起こす』という意味になり、『open a Pandora’s box of constitutional problems』は『憲法問題に関するパンドラの箱を開く』から『予想し得ない問題が起きる』という意味になります。


『パンドラの箱』はネガティブな意味を持つ言葉として使われています。

そして、色々な類語表現があります。

パンドラの箱の言葉の由来と類語表現を知ることでビジネスの場にも生かしていけるでしょう。


曼荼羅アーティスト Petit Piano